人間中心に考えよう

ブレイクスルー思考は人間中心の思考であると言えます。 それはブレイクスルー思考は人間の目的を実現するための思考であり、この点がワークデザイン初期のモノ中心の思考とは完全に異なります。
当時はIEという言葉の通り、世の中は工業生産時代でありモノづくりのためのワークのデザインでした。
90年代になるとモノから人の時代となり、この思考もモノの機能(ファンクション)から、そのモノゴトと向き合う人間の目的を中心に据える様になりました。
思考を進めていくうえで、まず最初に考えなければいけないことは、この思考の対象となるシステムの関係者は誰かということです。
ブレイクスルー思考はあくまで目的が達成されることに焦点を当てていますので、最初からこのシステムの関係者は誰で、実行のためには誰にいつ参画してもらうのか、誰をどの段階で参画させると具合が悪いのかまでを見極めていきます。
それはブレイクスルー思考では、すべてをシステムと認識しますので解決策も関係者もそれぞれ1つのシステムを構成しています。
したがって求める解決策システムと人間も含めた他のシステムとのつながりをきちんと構成しておかないと実行が妨げられることになるからです。

もう一つの人間フェーズで重要なことは、目的を考える時の場の設定です。状況設定と言ってもよいでしょう。
その中心は『いつ・どこ・誰』です。中でも関係者のうち誰の目的を考えるのか?または考えるべきか?が最も重要です。
通常は当事者がそこに参画していますが、そうでない場合は特に注意が必要です。例えば、研修を企画する場合に、その目的として受講者の視点か、主催者の視点か、講師の視点で考えるべきか?またそれは3年後の話か、3か月後の話か?東京のある企業でのことか、ニューヨークのある学校のことか・・・などで全く異なってきます。   図の2台の自動車は、ある自動車販売店に行って『車を買いたい』と伝えたときに、『それではこのバスはいかがでしょう?』と勧められたら通常は2度とそこにいかないでしょう・・ということを表しています。場を適切に設定していないことから生じる間違いはよく見られることです。
このようにブレイクスルー思考は多様なステージの中でのある状況の特定解を求める思考となり、どこにでも通用する一般解を求めるものではありません。また現代のように多様性が重視される時代に、本来一般解・共通解などはほとんど役に立たないものと考えています。